「先生、今日から5歳になったよ」。誕生日を迎えた朝、少し誇らしそうに話す子どもがいます。大人にとって一年に一度やってくる誕生日も、幼児期の子どもにとっては「大きくなった自分」を強く意識する特別な出来事です。そして園では、自分が祝ってもらうだけでなく、友だちの誕生日を一緒に喜ぶ経験もあります。こうした日常を含め、子どもたちがどんな時間を重ねているのかは、大和高田市の認定こども園での毎日を知ることで、毎日の園生活をイメージするきっかけにもなります。
「5歳になったから、もうできるよ」。
誕生日を迎えたからといって、昨日と今日で突然できることが増えるわけではありません。
それでも子どもの中には、「一つ大きくなった」という気持ちが生まれます。
いつも先生に手伝ってもらっていたことを、自分でやってみる。
少し難しそうな遊びに挑戦する。
年下の子に「やってあげる」と声を掛ける。
年齢が一つ増えたことが、小さな自信につながることがあります。
大人から見れば微笑ましい姿ですが、子ども自身にとっては大切な変化です。
自分が大きくなっている。
昨日までの自分とは少し違う。
そんな実感を持つことで、「やってみよう」という気持ちが生まれます。
園生活では、その成長を周囲の人と一緒に喜べる場面があります。
「おめでとう」。
友だちから声を掛けてもらう。
自分のことをみんなが覚えていてくれる。
祝ってもらった経験は、「自分はここにいていい」という安心感にもつながります。
そして今度は、自分が友だちを祝う番になります。
昨日は自分が「おめでとう」と言ってもらった。
今日は別の子へ「おめでとう」と伝える。
自分がうれしかった経験があるからこそ、相手のうれしさを想像できることもあります。
幼児期の人との関わりは、こうした小さな経験を通して少しずつ広がっていきます。
誕生日をきっかけに、昔の話をすることもできます。
「小さいころは、こんなことをしていたんだよ」。
先生や家族から話を聞き、以前の自分を知る。
今では当たり前にできていることも、最初からできたわけではありません。
一人で歩けなかった時期。
うまく話せなかった時期。
着替えを全部手伝ってもらっていた時期。
そこから少しずつできることが増え、今の自分があります。
日々一緒に過ごしていると、変化はゆっくりなので気づきにくいものです。
けれど、節目になる日があることで、「こんなに大きくなったんだ」と改めて感じることができます。
それは子どもだけではありません。
周囲の大人にとっても、成長を振り返る機会になります。
「前はこうだったね」。
「こんなことができるようになったね」。
結果だけではなく、そこまでの過程を思い出す。
その言葉を聞いた子どもは、自分が少しずつ成長してきたことを知ります。
そして、成長の速さは一人ひとり違います。
同じ5歳でも、得意なことは違う。
好きな遊びも違う。
自信を持てることも違います。
だからこそ、「5歳ならこれができなければならない」と比べるのではなく、その子自身が以前と比べてどんな変化をしているのかを見ることが大切です。
昨日より少し長く話せた。
前より友だちの話を聞けた。
苦手だったことに、自分から近づいてみた。
そうした小さな成長も、その子にとって大切な一歩です。
園には毎日、さまざまな子どもの節目があります。
誕生日だけではありません。
初めてできた日。
初めて友だちができた日。
初めて自分から挑戦した日。
大人が気づかなければ通り過ぎてしまうような瞬間も、子どもにとっては大きな出来事です。
その変化に周囲の人が気づき、一緒に喜ぶ。
そして友だちの成長にも「すごいね」と声を掛ける。
自分の成長を喜んでもらい、誰かの成長も一緒に喜べる。
そんな経験を重ねながら、子どもたちは自分自身を大切にする気持ちと、周りの人を大切にする気持ちを少しずつ育てていきます。
「もう一つ大きくなった」。
その誇らしい気持ちを次の挑戦へつなげながら、一人ひとりの成長をみんなで喜べること。それも、たくさんの人と毎日を過ごす園生活ならではの魅力です。