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私だけの先生になってくれました

こんにちは。50代、女性、リリです。私は両親が共働きだったので、保育園に入る前は近所や知り合い、祖父母に育てて貰いました。そして、やっと幼稚園に入園出来る歳になったときも第二次ベビーブーム真っ只中だったので入園するのに両親が整理券を貰いやっと幼稚園に通うことが出来たのです。幼稚園にはお迎えのバスがあるので両親も安心して働いてくれました。それでも私には一つだけ嫌な行事がありました。それは〇〇狩りと付く親同伴の遠足のようなものです。一日がかりで出かけるのでいつも親が同伴出来なかったのです。今思えば簡単に休めない責任ある仕事をしていました。私は慣れっこ子になっていたのでいつも一人で参加しました。先生も家庭の事情を承諾していたので他にも同伴出来ない友達がいました。ある梨狩りの日、やはり私は一人でした。他の子は楽しそうに梨を取ってお母さんに剥いてもらい食べています。その時、後ろから「今日は〇〇ちゃんのお母さんになれるかな?」と見たこともない先生が声をかけてきました。そして私を抱っこすると大きな梨を私の手でもぎ取ることが出来ました。「美味しそう!。先生はだあれ?」と聞くと、「先生になるためにお勉強に来ているの。今日はあなただけの先生になるね」と言って梨を剥いて一緒に食べました。私が特別ではありません。保育園にも通わない子も沢山いました。それでも一人はやっぱり寂しかったのか。美味しいと言いながら嬉しくてポロポロ泣いていました。