朝の空気が少し冷たくなってきました。
白い息を弾ませながら、子どもたちが「おはよう!」と駆けてくる。
手をつなぐその手が、少しひんやりしていて、
思わず先生も両手で包み込みます。

「つめたいね」「でも、あったかいね」
そんなやりとりに、季節の変わり目を感じる――冬の始まりの朝です。

保育の現場では、日々の小さな会話や仕草が、
子どもたちの心をやさしく育てています。
先生たちは、言葉よりも先に子どもたちの表情を読み取り、
安心できる空気をそっとつくり出しています。

あたたかさが息づく大和高田の認定こども園ここでは、「見守る」「受け止める」「寄り添う」――その三つを大切にしながら、
子どもたちの一日を支えています。

寒い季節になると、自然と人のぬくもりが恋しくなります。
子どもたちは布団を掛け合ったり、友だちの肩に寄り添ったり。
その姿を見ていると、思いやりとは“教えるもの”ではなく、
日々の中で“感じて覚えるもの”なのだと気づかされます。

園では、この季節ならではの遊びも増えてきます。
落ち葉の中に寝転んだり、霜柱を踏んでみたり。
「シャリシャリって鳴った!」と笑う声に、冬の朝がいっそう明るくなります。

室内では、子どもたちが毛糸を使って制作を楽しんでいます。
指先を一生懸命動かしながら、丸やハートの形を作っては、
「見て、できたよ!」と誇らしげに見せてくれます。
その笑顔に、先生たちは何度でも「すごいね」と言いたくなります。

午後のひととき、窓の外には薄い雲が流れ、やわらかな光が差し込みます。
子どもたちはお昼寝のあと、温かいお茶を飲みながらおやつの時間。
甘い匂いに包まれて、園全体が少しだけゆっくりとした空気になります。

冬の訪れは、少し寂しさを感じる季節でもあります。
けれどこの園には、その静けさをあたたかく変える力があります。
子どもたちの笑顔と、先生たちのまなざし。
その二つが重なり合って、心に灯りをともしてくれるのです。

今日もまた、誰かが誰かを想いながら過ごす時間があります。
それは、どんな季節よりも豊かなぬくもりを生む時間。
園という場所が、そんな“あたたかさの循環”で満たされていることを、
子どもたちはちゃんと感じ取っています。

手と手をつなぎ、目と目を合わせて、
「またあしたね」と笑い合う。
その繰り返しの中で、冬の冷たい空気も、
やさしくやわらぐのです。